就労ビザの取得要件とは?許可される人・されない人を行政書士が解説

就労ビザの 取得要件・条件 就労ビザ申請

「うちの会社で外国人を雇いたいが、そもそも就労ビザは取れるのだろうか」「自分は要件を満たしているのか不安だ」——就労ビザの申請を考えるとき、最初に立ちはだかるのがこの“要件”の壁です。

就労ビザ(就労できる在留資格)は、誰でも申請すれば取れるものではありません。本人の学歴・職歴、任せる仕事の内容、受け入れる会社の状況など、複数の要件をすべて満たして初めて許可されます。

この記事では、就労ビザの取得要件を「本人」「業務内容」「会社」「報酬」「素行」の5つの視点から、行政書士がわかりやすく整理します。許可される人とされない人の違いも具体例で示しますので、ご自身・御社のケースに当てはめて確認してください。

  • 就労ビザの要件が複雑で、何を満たせばいいのか分からない
  • 学歴や職歴が要件を満たしているか自信がない
  • 任せたい仕事内容で就労ビザが取れるのか不安
  • 会社の規模が小さいと許可されないのではと心配
  • 要件を満たさず不許可になるのが怖い
「要件」と聞くと難しく感じますよね。でも一つずつ分解すれば大丈夫。まずはご自身のケースを当てはめてみましょう。

📌 この記事の結論

就労ビザの取得要件は、大きく分けて①本人の学歴・職歴 ②業務内容と在留資格の合致 ③受け入れ会社の安定性・継続性 ④日本人と同等以上の報酬 ⑤本人の素行・在留状況、の5つです。

これらは「どれか1つ」ではなく「すべて」を満たす必要があります。逆に言えば、1つでも欠けると不許可につながります。

ご自身・御社が要件を満たすか分からない場合は、申請前の見極めが何より大切です。専門の行政書士に相談すれば、取得の可能性と必要な準備が明確になります。

就労ビザの取得要件は大きく5つ

就労ビザと一口に言っても、技術・人文知識・国際業務(技人国)をはじめ、いくつもの種類があります。

種類ごとに細かな基準は異なりますが、どの就労ビザにも共通して問われる柱があります。

それが、次の5つの要件です。

要件 内容のポイント
①本人の要件 学歴(大学・専門学校卒など)または一定年数の実務経験があるか
②業務内容の要件 任せる仕事が専門的で、在留資格の活動内容に合致しているか
③会社の要件 受け入れる会社に事業の安定性・継続性があるか
④報酬の要件 日本人が従事する場合と同等以上の報酬か
⑤素行・在留状況 税金や届出などのルールを守り、素行に問題がないか

重要なのは、これらが「いずれか」ではなく「すべて」を満たす必要があるという点です。

たとえば本人の学歴が十分でも、任せる仕事が単純作業であれば許可されません。

逆に仕事内容が専門的でも、会社の経営状態が不安定だと審査で厳しく見られます。

5つの要件は“合わせ技”で審査されます。1つずつ確認し、弱い部分を書類でどう補うかが申請のカギです。

①本人の要件|学歴または実務経験

就労ビザの代表格である技人国では、原則として本人に大学卒業(短大・専門学校卒を含む場合あり)または10年以上の実務経験が求められます。

学歴は、任せる仕事の内容と関連する分野を学んでいることが原則です。

たとえばITエンジニアとして雇うなら情報系の学歴、通訳・翻訳なら語学系の学歴、というように、学んだ内容と仕事のつながりが見られます。

大学を出ていない場合でも、実務経験で要件を満たせる道があります。

技人国の「技術」「人文知識」分野では原則10年、「国際業務」(通訳・翻訳・デザインなど)では3年の実務経験が一つの目安です。

ただし、その経験を在職証明書などで客観的に証明できることが前提になります。

学歴・実務経験は「あればよい」のではなく、仕事内容との関連性が問われます。関連性が薄いと、学歴があっても不許可になることがあります。

②業務内容の要件|専門性と在留資格の合致

就労ビザは、在留資格ごとに「できる仕事」が決められています。

技人国であれば、エンジニア・経理・営業・企画・通訳・海外取引など、一定の専門知識や語学力を活かす仕事が対象です。

一方で、工場のライン作業や接客・調理といった単純労働は、原則として技人国の対象にはなりません。

審査では、「その仕事に本当に専門知識が必要か」が具体的に見られます。

そのため、雇用契約書や業務内容説明書で、日々どんな専門業務を行うのかを明確に示すことが大切です。

あいまいな職務内容だと、単純労働ではないかと疑われ、不許可の原因になります。

「資格に合う仕事内容か」は最重要ポイントの一つ。単純作業が中心の求人は、特定技能など別の在留資格を検討します。

③会社(受入機関)の要件|安定性・継続性

就労ビザは本人だけでなく、受け入れる会社側も審査の対象になります。

外国人を雇用し、給与を継続して支払えるだけの事業の安定性・継続性があるかが見られます。

設立間もない会社や赤字が続く会社は、より丁寧な立証が必要になります。

会社の規模を示す区分として、入管は「カテゴリー」という考え方を用います。

上場企業や一定額以上の源泉徴収を行う会社はカテゴリー1・2とされ、提出書類が簡素になります。

中小企業や新設会社はカテゴリー3・4となり、決算書類や事業内容の説明など、提出書類が増える傾向があります。

区分 対象の目安 審査の傾向
カテゴリー1・2 上場企業・官公庁・一定規模以上の会社 提出書類が少なくスムーズ
カテゴリー3 前年の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出した会社 決算書類等が必要
カテゴリー4 新設会社など上記以外 事業計画書など立証資料が多い
会社が小さい・新しいから取れない、わけではありません。事業の継続性を資料できちんと示せば許可は十分に可能です。

④報酬の要件|日本人と同等以上

就労ビザでは、外国人に支払う報酬が日本人が同じ仕事をする場合と同等以上であることが求められます。

これは、外国人を安く働かせることを防ぐためのルールです。

同じ職種・同じ経験の日本人社員と比べて、明らかに低い給与だと許可されません。

報酬には基本給のほか、職務に対して継続的に支払われる手当も含めて判断されます。

一方で、通勤手当や扶養手当など、実費弁償や生活補助の性質が強いものは報酬に含めないのが原則です。

「いくらなら大丈夫か」は職種や地域でも変わるため、求人の給与設定は慎重に行う必要があります。

⑤素行・在留状況の要件

すでに日本にいる方が在留資格を変更する場合や更新する場合は、これまでの在留状況・素行も見られます。

税金や年金・健康保険をきちんと納めているか、過去に在留ルール違反がないか、といった点です。

留学生がアルバイトの時間制限(原則週28時間)を大きく超えていた場合などは、就労ビザへの変更で不利になることがあります。

「これまでの積み重ね」も審査されます。税金の未納や届出の漏れがあれば、申請前に解消しておくことが大切です。

就労ビザの種類ごとに要件は少し異なる

ここまで共通の5要件を見てきましたが、実際にはどの在留資格で申請するかによって、重視される要件が変わります。

代表的な就労ビザの特徴を押さえておくと、自社のケースに合う資格が見えてきます。

在留資格 特に重視される要件 主な対象
技人国 学歴または実務経験+専門的な業務 エンジニア・事務・通訳など
特定技能 技能試験・日本語試験の合格 介護・外食・建設・製造など
技能 原則10年以上の熟練した技能 外国料理の調理師など
経営・管理 出資・事業所・事業の安定性 会社経営・起業
企業内転勤 海外拠点での1年以上の勤務歴 グループ会社間の異動

たとえば技人国では「学歴・職歴と業務の専門性」が、特定技能では「試験の合格と分野の合致」が中心に見られます。

経営・管理ビザでは、本人の学歴よりも事業計画や出資の妥当性が重視されます。

「自社の求人にはどの在留資格が合うのか」を最初に見極めることが、要件を満たすための近道です。

同じ人材でも、任せる仕事と在留資格の組み合わせ次第で結論が変わります。資格選びの段階から検討しましょう。

許可される人・されない人の具体例

ここまでの要件を踏まえ、許可されやすいケースと難しいケースを整理します。

あくまで一般的な傾向ですが、ご自身・御社のケースを当てはめる参考にしてください。

傾向 具体例
許可されやすい 情報系の大学を出た人をITエンジニアとして、日本人と同等の給与で採用する
許可されやすい 語学系の学歴がある人を、海外取引の通訳・翻訳担当として採用する
難しい 大学卒だが、任せる仕事が工場のライン作業や店舗の接客中心
難しい 学歴・実務経験が仕事内容と関連していない
難しい 給与が日本人社員より明らかに低い/会社の経営状態を示せない
「うちのケースは取れる?」という見極めこそ、行政書士の出番です。要件のどこが弱いか、どう補うかを一緒に確認しましょう。

要件を満たすか不安なときの進め方

「要件を満たしていない気がする」と感じても、すぐにあきらめる必要はありません。

就労ビザの審査は総合判断のため、弱い部分を別の資料で補える場合があるからです。

たとえば学歴と職務の関連性が弱いときは、これまでの実務経験や保有資格で専門性を補強できることがあります。

反対に、要件を満たしているつもりでも、書類の書き方ひとつで“専門性が伝わらず”不許可になることもあります。

大切なのは、申請前に自分のケースのどこが強く、どこが弱いかを客観的に把握することです。

その見極めができれば、補強すべき資料や、選ぶべき在留資格がはっきりします。

要件の自己診断はプロでも慎重に行う部分です。無料相談で“取れる可能性”と“足りない点”を先に確認しておくと安心です。

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就労ビザに関するよくある質問

Q. 就労ビザの要件は在留資格ごとに違いますか?

A. はい。技人国・特定技能・技能・経営管理など、在留資格ごとに細かな基準は異なります。ただし、本人の適格性・業務内容・会社の安定性・報酬・素行という5つの柱は共通して問われます。

Q. 大学を出ていなくても就労ビザは取れますか?

A. 取れる場合があります。技人国では原則10年(国際業務は3年)の実務経験で学歴要件を補えます。詳しくは学歴に関する記事をご覧ください。

Q. 会社が設立したばかりでも雇えますか?

A. 可能です。ただし事業の継続性・安定性をより丁寧に立証する必要があり、事業計画書などの資料が重要になります。

Q. アルバイトのような単純作業でも就労ビザは取れますか?

A. 技人国では原則取れません。単純労働が中心の場合は、特定技能など別の在留資格を検討することになります。

Q. 給与はいくらに設定すればよいですか?

A. 同じ仕事をする日本人と同等以上が必要です。職種・地域・経験により適正額は異なるため、求人段階で確認することをおすすめします。

Q. 要件を満たしているか自分で判断できません。

A. 就労ビザは複数の要件を総合的に審査するため、自己判断は難しいものです。申請前に専門家へ相談すると、取得の可能性と準備すべき点が明確になります。

Q. 要件を満たしていないと必ず不許可ですか?

A. 要件を満たさないまま申請すれば不許可となります。ただし、弱い部分を別の資料で補ったり、別の在留資格に切り替えたりできる場合もあるため、まずはご相談ください。

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記事の監修者
行政書士 塚田貴士行政書士塚田貴士事務所 代表 塚田 貴士

【専門分野】外国人在留資格、就労ビザ、永住権申請、帰化申請。相談実績1000件以上。

公式サイト…https://shuroviza-help.com/

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