技能実習から特定技能への移行|要件・手続き・試験免除を解説

技能実習から 特定技能への移行 就労ビザ申請

「育てた技能実習生に、修了後も続けて働いてほしい」——多くの受け入れ企業が抱える願いです。

技能実習を良好に修了した人は、特定技能へ移行することで、引き続き同じ職場で働けます。

この記事では、技能実習から特定技能への移行の要件・手続き・メリットを解説します。

  • 実習生を修了後も雇いたい
  • 特定技能への移行の仕方が分からない
  • 試験免除の条件を知りたい
  • 在留期限に間に合わせたい
育てた実習生の継続雇用、分野の対応確認から一緒に進めましょう。

📌 この記事の結論

技能実習を良好に修了した人は、対応する分野について試験免除で特定技能1号へ移行できます。

移行は在留資格変更許可申請で行い、特定技能雇用契約と支援計画の準備が必要です。

実習の職種と特定技能の分野の対応確認がカギ。在留期限前に余裕をもって手続きしましょう。

技能実習と特定技能はどう違う?

技能実習と特定技能はどう違う?

技能実習と特定技能は、どちらも外国人が現場で働く制度ですが、目的がまったく異なります。

技能実習は『母国への技能移転(国際貢献)』が目的の制度で、特定技能は『日本国内の人手不足を補う労働力の確保』が目的です。

そのため、特定技能では技能実習よりも本人の自由度が高く、同じ分野内での転職も認められています。

制度 目的 特徴
技能実習 技能移転(国際貢献) 原則転職不可・期間に上限
特定技能1号 人手不足分野の労働 同一分野で転職可・通算5年まで

なぜ「技能実習から特定技能」への移行が増えているのか

なぜ「技能実習から特定技能」への移行が増えているのか

技能実習は在留期間に上限があり、修了するとそのままでは在留を続けられません。

しかし、育てた人材を手放すのは、企業にとっても本人にとっても大きな損失です。

そこで、技能実習を良好に修了した人を特定技能へ移行させ、引き続き同じ職場で働いてもらうケースが増えています。

『せっかく育てた実習生に、続けて働いてほしい』というニーズに応えるのが、特定技能への移行です。

移行の最大のメリット|試験が免除される

移行の最大のメリット|試験が免除される

特定技能1号は、通常は技能試験と日本語試験の合格が必要です。

しかし、技能実習2号を良好に修了した人は、対応する分野について、これらの試験が免除されます。

すでに現場で技能を身につけているため、スムーズに特定技能へ移行できるのです。

試験免除は、移行を後押しする大きなメリットです。実習で従事した職種と、特定技能の分野が対応しているかを確認しましょう。

分野の対応関係を確認する

分野の対応関係を確認する

技能実習の職種と、特定技能の分野は、必ずしも一対一で対応しているわけではありません。

移行できるかは、実習で行っていた作業が、特定技能のどの分野・業務区分に当たるかで決まります。

実習の職種と特定技能の分野が対応していない場合は、試験を受けて移行する必要があります。事前の確認が重要です。

移行の手続きの流れ

移行の手続きの流れ

技能実習から特定技能への移行は、在留資格変更許可申請で行います。

  1. 技能実習の修了見込み・分野の対応を確認
  2. 特定技能雇用契約を結ぶ(報酬は日本人と同等以上)
  3. 支援計画を作成(自社または登録支援機関に委託)
  4. 在留資格変更許可申請を入管へ提出
  5. 審査
  6. 許可・特定技能として就労開始
技能実習の在留期限が切れる前に、余裕をもって変更申請を行う必要があります。準備が遅れると在留に空白が生じるおそれがあります。

移行に必要な書類

移行に必要な書類

  • 在留資格変更許可申請書・証明写真
  • 技能実習2号を良好に修了したことを証する書類(評価調書など)
  • 特定技能雇用契約書
  • 支援計画書
  • 受け入れ企業の登記事項証明書・決算文書など

受け入れ企業の義務(支援)

受け入れ企業の義務(支援)

特定技能では、受け入れ企業に外国人を支援する義務があります。これは技能実習とは異なる点です。

生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、相談対応などを行う必要があります。

自社で対応が難しい場合は、登録支援機関に委託できます。

移行のスケジュールと注意点

移行のスケジュールと注意点

移行は、技能実習の修了タイミングに合わせて計画的に進めます。

在留資格の変更には審査期間がかかるため、修了の数か月前から準備を始めるのが安全です。

移行できる人・できない人

移行できる人・できない人

区分 条件
移行しやすい 技能実習2号を良好に修了し、職種が特定技能の分野に対応する人
試験が必要 実習の職種と特定技能の分野が対応しない人(試験で移行)
移行できない 特定技能の対象分野に該当しない業務の人

まず『実習の職種が特定技能のどの分野に当たるか』を確認することが出発点です。

技能実習3号との関係

技能実習3号との関係

技能実習には1号・2号・3号があり、3号まで進むと最長5年の実習が可能です。

特定技能へは、技能実習2号を修了した時点でも移行でき、必ずしも3号まで進む必要はありません。

『3号で実習を続ける』か『特定技能へ移行する』かは、本人の希望や企業の方針によって選べます。

移行後の転職について

移行後の転職について

技能実習では原則として転職できませんが、特定技能では同一分野内であれば転職が可能です。

そのため、移行後に他社へ移る可能性もあります。受け入れ後も良好な関係を保つことが、定着につながります。

登録支援機関に委託する場合

登録支援機関に委託する場合

特定技能では支援が義務づけられますが、自社で対応が難しい場合は登録支援機関に委託できます。

委託する場合は、支援委託費(月額)などのコストが発生します。

  • 対応分野・言語に対応しているか
  • 支援の実績が豊富か
  • 委託費用が明確か

移行でつまずきやすい点

移行でつまずきやすい点

  • 実習の職種と特定技能の分野が対応していない
  • 在留期限が迫ってから準備を始める
  • 支援計画の作成が間に合わない
  • 特定技能雇用契約の報酬が日本人と同等以上になっていない

移行後のキャリア|特定技能2号・永住も視野に

移行後のキャリア|特定技能2号・永住も視野に

特定技能1号は通算5年までですが、熟練した技能を要する特定技能2号に移行できれば、在留の更新ができ、家族の帯同も可能になります。

さらに在留を続ければ、将来的に永住を目指す道も開けます。

『実習→特定技能1号→2号→永住』という長期のキャリアパスを見据えると、人材の定着につながります。

複数の実習生をまとめて移行する場合

複数の実習生をまとめて移行する場合

複数の技能実習生を一度に特定技能へ移行させたいケースもあります。

それぞれの修了時期・分野の対応・支援体制をまとめて管理すると、手続きがスムーズです。

ケース例|実習生を特定技能で継続雇用

ケース例|実習生を特定技能で継続雇用

製造業の会社が、3年間受け入れてきた技能実習生に、修了後も続けて働いてほしいケースを考えます。

この実習生が技能実習2号を良好に修了し、その職種が特定技能の分野に対応していれば、技能試験・日本語試験が免除され、特定技能1号へ移行できます。

すでに現場で技能を身につけ、職場にも慣れているため、即戦力として継続雇用できるのが大きなメリットです。

移行は在留資格変更許可申請で行います。

特定技能雇用契約(報酬は日本人と同等以上)を結び、支援計画を準備したうえで、実習の在留期限が切れる前に余裕をもって申請することが重要です。

自社で支援が難しい場合は、登録支援機関に委託できます。

技能実習からの移行に関する詳しいQ&A

技能実習からの移行に関する詳しいQ&A

Q. どの実習生でも特定技能に移行できますか?

技能実習2号を良好に修了し、職種が特定技能の分野に対応していることが条件です。

対応しない場合は試験を受けて移行します。

Q. 移行後も同じ会社で働けますか?

はい。引き続き同じ会社で働けます。特定技能では同一分野内であれば転職も可能です。

Q. 移行のタイミングはいつがいいですか?

技能実習の在留期限が切れる前に、数か月の余裕をもって準備するのが安全です。

技能実習から特定技能への移行をもう少し詳しく

技能実習から特定技能への移行をもう少し詳しく

技能実習と特定技能は、もともと制度の目的が異なります。

技能実習は『日本で習得した技能を母国に持ち帰ってもらう』国際貢献の制度で、特定技能は『日本国内の人手不足を補う』ための制度です。

目的が違うため、本来は別々の制度ですが、現場で育った人材をそのまま活かせるよう、技能実習から特定技能への移行という橋渡しの仕組みが設けられています。

移行が広がっている最大の理由は、企業にとっても本人にとっても合理的だからです。

企業は、すでに技能と日本語を身につけ、職場にも慣れた人材を、試験免除でそのまま継続雇用できます。

本人も、慣れた職場で引き続き働け、在留も安定します。

技能実習では認められなかった同一分野内の転職も、特定技能では可能になるため、本人の選択肢も広がります。

ただし、移行には在留期限という時間的な制約があります。

技能実習の在留期限が切れてしまうと、いったん帰国しなければならないこともあります。

修了の数か月前から、分野の対応確認・雇用契約・支援計画の準備を進めておくことが、スムーズな移行のカギです。

技能実習からの移行に関するさらに詳しいQ&A

技能実習からの移行に関するさらに詳しいQ&A

Q. 移行の際、いったん帰国する必要はありますか?

在留資格変更が在留期限内に許可されれば、帰国せずにそのまま日本で働き続けられます。

期限に間に合うよう早めの準備が重要です。

Q. 支援は必ず登録支援機関に頼む必要がありますか?

自社で支援体制を整えられれば自社で行えます。

難しい場合に登録支援機関へ委託する選択肢があります。

Q. 特定技能2号まで進めますか?

分野によっては、特定技能1号からさらに2号へ進める道があります。

2号は在留更新ができ、家族帯同も可能になります。

実習生の継続雇用をお考えの企業様へ

実習生の継続雇用をお考えの企業様へ

技能実習生の継続雇用は、即戦力を確保できる大きなチャンスです。

ただし、分野の対応確認・雇用契約・支援計画の準備を、在留期限までに整える必要があります。

Q. 複数の実習生をまとめて移行できますか?

はい。複数名の移行も、スケジュール管理から一括で対応します。

Q. 支援が自社で難しいのですが?

Q. 技能実習から特定技能に移行できますか?

A. 技能実習2号を良好に修了し、職種が特定技能の分野に対応していれば、試験免除で特定技能1号へ移行できます。

Q. 移行すると試験は必要ですか?

A. 技能実習2号の良好な修了者は、対応する分野について技能試験・日本語試験が免除されます。分野が対応しない場合は試験が必要です。

Q. 移行後も同じ会社で働けますか?

A. はい。引き続き同じ会社で働けます。特定技能では同一分野内であれば転職も可能です。

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